競馬では、牡馬の中に牝馬が1頭混じっていることを「紅一点」と呼んでいるが、無観客競馬の七夕賞は、5歳牝馬のパッシングスルーとリュヌルージュが出走する「紅二点」。1980年以降、牝馬が2頭出走した「紅二点」の七夕賞を定点観測してみた。
牝馬が2頭出走した「紅二点」の七夕賞は、1980年以降で4回ある。多い少ないはさておき、牝馬が何頭出走したのかに関係なく、七夕賞55年の歴史で牝馬の優勝は9頭を数えるだけ。牝馬には厳しいレースとなっている。
「紅二点」の七夕賞の牝馬8頭の成績をまとめると、1着1回、2着2回、3着1回、着外4回。「紅一点」や「紅三点」では、牡馬やせん馬に苦戦を強いられていても、「紅二点」なら互角に渡り合えている。ザックリ5割の確率で馬券対象になっている観測結果を見過ごす手はあるまい。
<牝馬が2頭出走した「紅二点七夕賞」>
1980年 第16回七夕賞
4枠04ハツマモル ☆3着 58.0 牡5
5枠
6枠06カミノローラ ★2着 51.0 牝4
7枠09ファニーバード 7着 53.0 牝4
8枠11サクラエイリュウ ★1着 56.0 牡4
1983年 第19回七夕賞
5枠05ガーベラターフ 11着 49.0 牝4
6枠08カミノグレース 6着 53.0 牝5
7枠09サーペンプリンス ★2着 58.0 牡6
8枠11ナンキンリュウエン ☆3着 58.0 牡6
8枠12スピーデイタイガー ★1着 55.0 牡5
2010年 第46回七夕賞
2枠03ダイワジャンヌ 13着 52.0 牝5
3枠
4枠07アルコセニューラ ★2着 54.0 牝6
4枠08ドモナラズ ★1着 52.0 牡5
5枠09サンライズベガ ☆3着 55.0 牡6
5枠10バトルバニヤン ☆3着 57.0 牡57
2011年 第47回七夕賞
1枠02アニメイトバイオ ☆3着 55.0 牝4
2枠
3枠
4枠
5枠10タッチミーノット ★2着 55.0 牡5
6枠
7枠
8枠15イタリアンレッド ★1着 52.0 牝5
活路を求めたダート戦から出戻りとなるパッシングスルー。2019年9月の紫苑Sでは、後に中山牝馬S、福島牝馬Sを連勝するフェアリーポルカやジャパンC2着カレンブーケドールを退けている重賞ウイナーだ。
中山牝馬S2着、マーメイドS3着と、牝馬限定のハンデ重賞ではそこそこ活躍しているリュヌルージュ。牡馬が相手となる七夕賞で通用するのかは未知数ながら、デビューから19戦して13回は馬券対象となる3着以内を確保している無類の堅実派。
2011年七夕賞のイタリアンレッド、アニメイトバイオのように、「紅二点」揃って馬券対象となるかはともかく、「紅二点」のどちらかはとなれば、第16回七夕賞2着のカミノローラ、第46回七夕賞2着のアルコセニューラのような成績は十分期待できるのではないだろうか。
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