1番好きな馬の馬券を握り締めて応援するレース。そんなふうに言われる有馬記念だが、レース結果次第では、1番好きな馬が1番嫌いになってしまうという皮肉な現実もある。
有馬記念64年の歴史にあって、ファン投票1位に選出された馬が、59頭が出走していえるが、優勝は15回にとどまっている。レース当日に単勝1番人気に支持された馬の優勝も23回と、苦戦を強いられている。
1番好きな馬が、ファン投票1位選出馬や単勝1番人気とは限らないわけだが、好きでもない馬に投票したり、単勝を購入して応援するファンがどれだけいるのだろうか。
ファン投票1位に選出された馬と単勝1番人気に支持された馬が、1度もファンの期待に応えたことがない。そんな恐ろしい歴史を刻んできたのが、12月27日グランプリである。
<敗滅の刃に倒れたファン投票1位選出馬と単勝1番人気>
1964年 第9回有馬記念
1枠01ヤマトキョウダイ ★1着
2枠02ヒカルポーラ 5着 1番人気
6枠06メイズイ ☆3着 ファン投票1位
1987年 第32回有馬記念
3枠05サクラスターオー 中止 1番人気 ファン投票1位
4枠07メジロデュレン ★1着
4枠08ユーワジェームス ★2着
1992年 第37回有馬記念
2枠03メジロパーマー ★1着
3枠05トウカイテイオー 11着 1番人気 ファン投票1位
1998年 第43回有馬記念
1枠02グラスワンダー ★1着
2枠03エアグルーヴ 5着 ファン投票1位
5枠10メジロブライト ★2着
6枠11セイウンスカイ 4着 1番人気
2009年 第54回有馬記念
8枠 沈黙
1枠02ブエナビスタ ★2着 1番人気
2枠 沈黙
注)ファン投票1位ウオッカは不出走
2015年 第60回有馬記念
7枠 沈黙
8枠15ゴールドシップ 8着 1番人気 ファン投票1位
1枠 沈黙
2020年 第65回有馬記念
4枠07ラッキーライラック ?着
4枠08ペルシアンナイト ?着
5枠09クロノジェネシス ?着 ファン投票1位
6枠11モズベッロ ?着
6枠12オーソリティ ?着
2020年有馬記念のファン投票1位選出馬は、宝塚記念優勝馬でグランプリ春秋連覇を狙うクロノジェネシス。無理のない臨戦過程と相手関係から、もうひとつの「1」である単勝1番人気に支持される可能性は十分ある。
ファン投票1位選出にして単勝1番人気を背負って12月27日グランプリの出走した馬は、サクラスターオー、トウカイテイオー、ゴールドシップがいるが、いずれも残念な結果に終わっている。
クロノジェネシスは、ジンクスに飲み込まれてしまうのか。それともジンクスを打ち破って、グランプリ春秋連覇を達成するのか。一番好きな馬がクロノジェネシスではない筆者の結論は…
単勝1番人気に支持されないことを条件に、ファン投票1位選出馬クロノジェネシスの隣枠を引き当てたラッキーライラック、ペルシアンナイト、モズベッロ、オーソリティにエールを贈りたい。
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